資金を圧縮するアイアンカバコ戦略と一緒に組みたい決算戦略とは

アイアンカバコとは、私守屋史章がオプショントレード普及協会で提唱している独自の戦略名称です。

このアイアンカバコでは通常のカバードコールに対して資金を圧縮でき、且つカバードコールと同等に近いパフォーマンスを狙える戦略です。

このアイアンカバコは通常のカバードコールのように株式の保有はせず、株式の代用としてオプションを用いてポジションを組むのが特徴です。

例えば、現在値がおよそ60ドルのコカ・コーラ株の場合は、カバードコールをする場合には株を100株購入するため、6,000ドルの資金が必要です。

一方でアイアンカバコで、同じリターンを得るのに自己資金はおよそ2,000~3,000ドルしか必要としなければ、小資金で効率の良い投資ができます。

本来6,000ドル必要な戦略をわずか2,000~3,000ドルで組めるということは、その差額を拘束されることなく他の投資に回すことができます。

ではこの余った資金をどのように活用すればよいでしょうか。

そこで提案したいのが決算戦略です。

この記事ではなぜアイアンカバコには決算戦略が良いのか、数ある決算戦略の中でもどのような組み合わせがアイアンカバコとマッチするのかを解説します。

アイアンカバコで資金を圧縮する意義

アイアンカバコでは、小資金でカバードコールよりも利益率の高い投資ができます。

約6,000ドル必要なカバードコールを、わずか2,000~3,000ドル程度で組成する戦略がアイアンカバコです。(資金額は必ず一定になるわけではありません)

小資金で組めるのでレバレッジを掛けることは可能です。

例えば、もともと6,000ドルの投資を検討していたとすると、1セット2,000ドルしか必要としなければ、合計3セットを組みレバレッジを掛けることもできます。

ですが、私は、レバレッジを高めてリターンを最大化するのではなく、圧縮して余った資金で他の投資商品でヘッジポジションを持つことを推奨しています。

「資金を圧縮する」の具体的事例

具体的には、6,000ドルの投資で年利10%、600ドルのリターンを得るカバードコールがあるとします。

この投資に対してアイアンカバコのロジックを適用した場合、例えですがおおよそ2,000ドルで500ドルのリターンを得られるとします。

この場合は年利25%となる計算です。

よって、600ドルのリターンを得ようとした場合は、カバードコールは年利10%なので自己資金が6,000ドル必要ですが、年利25%のアイアンカバコで投資していれば、わずか2,400ドルで実現できます。

つまりアイアンカバコは6,000-2,400=3,600ドル分の資金をリスクにさらさずリザーブできることを意味します。

これを私は「資金を圧縮する」と表現しています。

そしてこの余った資金ですでに保有しているコカ・コーラ株を積み増しするのではなく、他の資産運用に回すことで効率の良い投資を実現することができます。

アイアンカバコで採用する個別株のリスク

このアイアンカバコでは、主に個別株やETF(ETN)の中でも株価変動が少ない銘柄での取引をお勧めしています。

インデックス銘柄で市場全体の上昇を狙うならレバレッジポートフォリオ(レバポ)が最適ですが、個別株を用いたインカムゲインを狙うスタンスでポジションを組成するのがアイアンカバコです。

この場合は、個別株固有のリスクを把握しておかなければなりません。

特に決算発表でのネガティブサプライズで株価が下落すると、アイアンカバコからの利益が少なくなります。

インデックスの場合は構成銘柄がお互いにヘッジをすることでドローダウンの緩和が見込めますが、個別株の場合は個別要因で株価が上下するので、適切なヘッジが必要となります。

個別株の決算発表と市場の上昇量とのバランス

アイアンカバコ投資をする場合であっても、市場が右肩上がりであれば個別株も上昇する可能性が高く、安定して利益を出せる可能性が高まります。

しかし、市場が右肩上がりであっても、個別株の決算が悪い結果となれば株は売られてしまいます。

そこが個別株のリスクです。

ではどうやってこのリスクを緩和、あるいは分散させればよいでしょうか。

そのためには、他の個別株ポジションをポートフォリオに組み込んで、ポートフォリオ全体で利益が出るようにします。

具体的には、市場が右肩上がりの場面ではアイアンカバコで順調に利益を出しますので、市場が下落する際に含み損を補うような、下落で利益を見込める戦略を組むのが良いでしょう。

その際に都合がよいのは、決算戦略におけるベアスプレッドです。

決算戦略で用いるベアスプレッドとは

ベアスプレッドとは、株価が下落すると利益になるポジションです。

具体的には、プットデビットスプレッドかコールクレジットスプレッドを指します。

下図が代表的なベアスプレッドの損益図です。

横軸が株価、縦軸が損益を示しています。

決算戦略の中でこのベアスプレッドで利益を出す戦略をピックアップして、アイアンカバコのヘッジとして利用すると、合いイアンカバコのヘッジとして有効です。

相場が右肩上がりの際にはアイアンカバコで利益を出しますが、決算戦略の銘柄の中には4年間12回の決算のうち、10回~12回とも決算で下落している銘柄に絞っていけば、高い確率でベアスプレッドで利益を上げることができます。

このようなポジションを持つことで、アイアンカバコの下落ヘッジになりつつ、市場が全体的に下落してアイアンカバコの調子が悪いときに、損失を補ってくれる可能性があります。

アイアンカバコは長期保有が前提ですが、カバードコールの場合のように株に振り分けて使えなくなる資金ではないため、圧縮して余った資金を短期的に運用する発想が生まれます。

決算戦略は長くてもおよそ2週間の保有期間なので、アイアンカバコを実行して余った資金を効率的に使うことができます。

決算戦略でベアスプレッドを組む

ではどのように決算戦略の銘柄を決めていくか。

そのためには、有料となりますがマーケットカメレオンという分析ツールを使うのが効率的です。

マーケットカメレオンは月額99$ですべての機能を使うことができ、米国オプション投資をするならば非常に役立つツールです。

その中の「Earnings Option Strategy Backtest Screener」という機能を使います。

このパラメーターには、オプションボリュームやStrategyタイプの選択、過去の12回の決算のうち10回以上成功した銘柄、そして平均リターン額やシャープレシオの計算もできます。

このようなツールを用いて、エッジがあると見込まれる銘柄を探していきます。

今回はアイアンカバコのヘッジとして使いたいので、Strategyタイプはベアスプレッドを選択するのが良いでしょう。

その他必要な勝率やリターンの平均値などのパラメータを変化させて銘柄を抽出し、挙がった銘柄を淡々とエントリー&クローズしていきます。

この際に相場観は入れないことが肝要です。

コア戦略としてアイアンカバコを保有しているので、基本的に右肩上がりが嬉しい変動の方向ですが、市場が右肩上がりではない時、あるいは個別株が決算の要因によって下落しているタイミングを狙ってサテライト戦略として利益に変えます。

過去のベアスプレッドの結果を確認する

例えばNEMというシンボルの企業でコールクレジットスプレッドの過去12回の決算期にどのような損益を出したか、マーケとカメレオンでは簡単に調査することができます。

この銘柄は、過去12回の決算(=約3年分)に渡り、決算をまたぐたびに株価が下落していました。

よってベアスプレッドを決算のタイミングでセットすれば、今回の決算でも利益になる可能性が高まる、という目論見からNEMのベアスプレッドを採用します。

コア戦略は王道の右肩上がりを期待しつつ、サテライト戦略として下落で利益が出るような戦略を組むわけです。

このように分散しておくことで、相場が右肩上がりで調子がいいときにはアイアンカバコが利益を出し、相場が軟調な時には決算戦略で下落しやすい銘柄をピックアップして利益を狙うことができます。

以上のように上昇相場と下落相場でそれぞれ利益の出方が異なる銘柄をポートフォリオに入れておけば、トータルでコツコツと利益が増えていくことでしょう。

まとめ

コア戦略でアイアンカバコを採用した場合には、サテライト戦略として決算戦略のベアスプレッドを採用するのが有効です。

なぜなら、市場が調子が良いときにはアイアンカバコの利益が出ます。

一方で、ベアスプレッドとして銘柄個別の要因で下落する可能性が高いものだけをピックアップして保有することで、ポートフォリオ全体で安定的に利益を見込める可能性があります。

市場が崩れた際には個別要因にプラスして、よりベアスプレッドから利益が出やすくなるため、アイアンカバコのヘッジとして有効です。

このような視点で、アイアンカバコで圧縮した資金を有効活用して安定的な利益を目指せます。

ヘッジに使える決算戦略の銘柄は、オプショントレード普及協会で提供している「決算戦略アドバンス」で具体的銘柄とタイミングをお伝えしています。

決算戦略を2023年7月から積み上げた利益額とその累計です。

2024年2月採用銘柄と実績

SWKS(ベアスプレッド):+100ドル
NXPI(ブルスプレッド):+310ドル
VFC(ベアスプレッド):+164ドル
TPR(アイアンコンドル):+130ドル
CHTR(アイアンコンドル):-240ドル
CHTR(ロングストラドル):+425ドル
ABNB(ロングストラドル):-15ドル
AIG(ブルスプレッド):-15ドル
KHC(アイアンコンドル):-32ドル
OXY(アイアンコンドル):+43ドル
OXY(アイアンバタフライ):-84ドル
OXY(ベアスプレッド):-192ドル
CF(アイアンコンドル):+60ドル
CF(アイアンバタフライ):+552ドル
AMAT(アイアンコンドル):-241ドル
CF(プットカレンダー):+390ドル
OXY(プットカレンダー):-57ドル
DASH(ブルスプレッド):-108ドル
COIN(アイアンバタフライ):+266ドル
COIN(アイアンコンドル):+150ドル
CZR(アイアンバタフライ):+195ドル
LNG(ブルスプレッド):-55ドル
PANW(ブルスプレッド):-240ドル
CZR(アイアンコンドル):+80ドル
TOL(ブルスプレッド):+170ドル
NEM(ベアスプレッド):+64ドル
MOS(アイアンコンドル):+63ドル
MOS(プットカレンダー):-48ドル
YETI(アイアンコンドル):+15ドル
ZM(ベアスプレッド):-202ドル
JD(ロングストラドル):-173ドル

勝ち負けを繰り返しながらも、徐々に累計額が増えているのが分かると思います。

成績一覧を「決算戦略アドバンス」の募集ページの中で公開していますので、興味がある場合にはぜひこちらから決算戦略アドバンスの詳細をご確認ください。