資産形成・資産運用・資産防衛をする観点からは、リスクの高い投資にチャレンジするよりも、基本的なところからしっかり足固めして資産を増やしたいですよね。
例えば、債券、株式、配当、インデックスなど、さまざまな証券投資の手法があります。
これらの基本的な投資手法を使ってポートフォリオを組むのが資産形成・資産運用のオーソドックスな方法です。
その際にはNISAを使ってもいいでしょう。
そのポートフォリオにオプションのエッセンスを加えてみてはいかがでしょうか。
この記事ではポートフォリオにオプションのエッセンスを加えるとどうなるかを解説します。
投資の王道戦略に絡めるオプション戦略
個別株で配当投資をしている人はオプションを絡めたカバードコールやターゲットバイイングが向いているでしょう。
また、債券投資も有効です。
債券が取引できない証券会社の場合でも、個別株にオプションを使ったカラー取引を組み合わせて債券と同じリターンを狙うことも考えられます。
その際には、あらかじめご自身のリスク許容度を決めておく必要があります。
そのリスク許容度を超えていると変な投資判断してしまう問題があるからです。(下がったときに売って上がったときに買う)
そうならないためには、資金のキャッシュの比率を高めて、枕を高くして寝られる状態で投資することが精神的にもゆとりが出てお勧めです。
そこで、オプショントレード普及協会ではオプションをうまく使う手段として、アイアンカバコやレバポを提案しています。
アイアンカバコ&レバポによる小資金化の真の目的
このアイアンカバコやレバポは、コア戦略の位置づけとして、小資金化すること自体を目的にすることも可能です。
キャッシュ比率を高めておけば、株価が下落した際に買い増しするなど2の矢3の矢を繰り出すことができます。
ですが、小資金化を目的にするのではなく、小資金化は手段として、その先にあるキャッシュの他の商品への運用(例えば債券投資)に回すということまで考えることができれば、ポートフォリオの幅が広がります。
そのためには、資産運用の基本戦略をレバレッジを掛けられるオプションを使って実現する方法が有効です。
そのようなオプションを使って投資する方法がアイアンカバコやレバポです。
フルレバレッジを掛けるための戦略ではない
このアイアンカバコやレバポ自体を投資の目的としても間違いではありません。
ただし、キャッシュ比率を高める(=資金を圧縮する)ことで自己資金が小さくなるからと言って、セット数を増やし自己資金を目いっぱい使いフルレバレッジを掛けて投資するという発想は危険が伴います。
アイアンカバコやレバポは小資金で組めるために、ついつい自己資金の上限近くまでセット数を増やしがちです。
そうならないためにも、現金を確保した状態で小資金化を生かしてポートフォリオを組むのが良いでしょう。
私たちは、自己資金が10万ドル程度の場合は、せめて2セットまでが限界であると考えています。
レバポで解説しているポートフォリオは、普通に株式を購入して運用する場合には10万ドル程度必要です。
ところがレバポを使えば投下する資金でわずか数千ドルしか使わない運用も可能です。
であれば、10万ドル保有しているのだから10セット持てるのか、という発想になりがちですがそうではありません。
そこを2セットくらいに収めておくのです。
レバポ採用銘柄で普通に株式投資する場合の利回り10%とした場合に、オプションで同様のリターンを狙うと9%程度と若干リターンが低下します。
だから2セットを持てば、キャッシュで株やETFを使ったときよりもリターンは大きくなります。
2セットにすることで利益はキャッシュのみを利用した10%の利回りに対して、1.8倍くらいになる可能性があります。
ここがリスクを抑えるには限界だと考えています。
基本的にはセット数の分だけ資金を持った状態(1セットなら10万ドル、2セットなら20万ドル)で、実際には使用する資金を小さくすることでキャッシュ比率を高くして安心感を得ることを推奨しています。
圧縮することで実現するサテライト戦略
アイアンカバコやレバポは、本来の基本戦略を行うための道具にすぎないため、資金圧縮化自体が目的と言えるかもしれません。
しかし、王道戦略にお金を全部突っ込んでしまったら、エッジの効いた投資が出来なくなってしまいます。
そこでキャッシュ比率を高めてエッジの効いた商品を小資金かつ短いロットで回転させて運用をしていく。
これがポートフォリオ運用の大切なポイントです。
だからと言って、コアが7割サテライト3割と分散させた場合、コアが7割でしか回らなくなる課題があります。
コア戦略で通常の株式投資と同様のリターンを得ようとしても、アイアンカバコやレバポはおおむね9割くらいのリターンしか出ません。
小資金化で圧縮しても、全体の運用資金から見たリターンは株式保有の時より劣ってしまいます。
ですが、資金を圧縮したことでキャッシュが手元に残っているから、その余ったキャッシュを利用してサテライト戦略を実行します。
そうすれば王道の投資であるコア戦略を、アイアンカバコやレバポにすることで圧縮して自由に使える資金が増えます。
また、現金をサテライト戦略に振り分けられるという、ポートフォリオを組むための手段でもあります。
サテライト戦略としてのボラトレ戦略やVIXオプション
圧縮することでボラティリティ売買(=ボラトレ戦略)やVIXオプション、決算戦略に振り向けることができます。
VIXやボラトレ戦略をサテライトとして運用する狙いは、もしコア戦略でドローダウンが発生した時にでも、2の矢3の矢を出せるようにあらかじめ準備しておくためです。
本体が苦しんでいるときに利益が出る戦略をサテライト戦略にすると良いでしょう。
そして短期間で回すから換金性が高い(=いつでもキャッシュに戻せる)投資先を考えておきましょう。
換金性が高い投資としては、オプション売り戦略のカバードコールやアイアンカバコはあまり適していません。
なぜなら時間的価値を狙うために充分な投資時間が必要だからです。
例えば、オプションの買いで構成しているボラトレ戦略は、すぐに現金化できるためサテライト戦略に適しています。
ショックで市場全体が急落した際には、ボラトレ戦略から大きな利益が見込めます。
その利益を使って、割安になったアイアンカバコやレバポの手当てに回したり、欲しい株が大きく下落した時に買い向かうことができれば、資産は確実に増えていくでしょう。
現金を確保しておくことは様々な選択肢があります。
そのままおいておくのはもったいなないので換金性が高く、いつでも現金に戻せる短期戦略でエッジを取りに行く。
そしてコア戦略のヘッジになる戦略をサテライトで採用すれば、コアが下落した際の積み増しの原資に出来る。
こういったことを考えて全体のポートフォリオを決定していくと良いでしょう。
コア戦略とサテライト戦略のバランス
王道のコア戦略を、オプションを使って圧縮する。
そしてコア戦略のリターンを守りつつキャッシュ比率を高めることで安心感を得て、キャッシュを寝かせずサテライト戦略に回すことでコア戦略のヘッジにする。
短期の決算戦略などはお金が必要な時にすぐ手を引くことができますから、大数の法則に従って数をこなすことで、じわじわ利益を積み上がります。
ところが、全部の資金をコア戦略に突っ込んでしまうとサテライト戦略を組むことは出来ません。
かといって安定した資金の運用は必要ですからサテライト戦略だけポートフォリオに組み込むのではなく、腰を据えてやるためにもコア戦略を活用して資金を守ることが必要です。
コア戦略のリターンを得つつサテライト戦略で補強する。コア戦略でオプションを使って小資金化することは、目的でもあり手段でもあります。
サテライト戦略ではエッジを少しずつ取り利益に変えていける戦略があります。
オプションを使った運用手段を身に付けて、淡々と実行するのが今後の資産運用のテーマとなるでしょう。
まとめ
アイアンカバコ戦略とレバポ戦略で資金を圧縮する真の目的は、キャッシュ比率を高めることで、安心感を得られつつ、アイアンカバコやレバポで損が出た際に積み増しなどの2の矢、3の矢を繰り出すためです。
原則は株式でポートフォリオを組むのと同程度の資金を用意して実行しますが、投資家のリスク許容度に応じて2セットまでは許容範囲と考えています。
このように小資金化したキャッシュを使って、コア戦略のヘッジになるサテライト戦略(VIXオプションやボラトレ戦略等)をポートフォリオとして組むことで、相場下落の際の損失を軽減してくれる効果が期待できます。
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